ちょっとしたダイアリー『恵方巻きに食べたのは、オリジナルの手巻き寿司』


おはよう、皆の衆。定次さんです。
現在日時は2月4日の午前0時40分。
節分を過ぎて既に24時間以上経過したところですが、皆さんは今年の節分いかがお過ごしでしたか?
豆をまいて、恵方を向いて恵方巻きを黙って食べて……柊鰯を飾る家はこのご時世多くはないかもしれませんが、季節の行事の一環としてこの節分を楽しんだ方も多いと思います。
最適化や省エネという言葉が際立つ、なるべく手間を省いて過ごそうという考えが増えたこのご時世、豆まきですら掃除の手間を考慮して、豆まきをするフリだけで済ませたり、個包装のまま撒くといった家庭も増えました。
しかし私はそれを咎めるといったことはしません。
何なら最近の我が家は豆まきのフリをするどころか、豆まきすらしておりません。
そんな不得な私が、ものぐさながらも厄払いをしようと姿勢を見せる皆様方に物言いなんて到底できるはずもないでしょう。
昨今では人権に対する平等主義的考えが公に出始めていることもあり、それが鬼という概念にも向けられて「鬼も内」なんて言葉も出回るようになりましたが、我が家は鬼を招き入れるどころか関心すら寄せていません。
笑うことも泣くことも、怒ることすら叶わず、不可思議な面持ちで家に居座ろうとする鬼の気持ちが皆さんにはわからんでしょう。
無論、私にもわかりません。
わからないからこそ、とりあえず今年も恵方巻きだけ食べて無病息災を願って過ごすこととしたのでした。
恵方巻きの文化が広まったのはいつ頃からでしょうか。
特段、恵方巻きや節分の歴史について調べてきているわけではないので、私自身ここで詳しい話をすることはできかねるのですが、一説によれば恵方巻きは企業が起こした販促のための戦略であるとも言われています。
しかしながらルーツがどんなところにあろうとも、今やすっかり定着してしまった文化である以上は乗っかったところで損はありません。
節分を前にしたシーズン、スーパーやコンビニといった小売店にはここぞとばかりに所狭しと恵方巻きが並ぶわけですが、その巻き物の種類も随分とバラエティー豊かになったもので、季節物だからこそと特別感を持って人々が自分の好みの恵方巻きを買い漁る光景が増えました。
――そして従来の私もそんな仲間内の一人でした。
美味しそうな海鮮恵方巻きがあればそれを選び、その年の恵方巻きとして黙々と食べる。
この黙々と食べる静かな時間がおしゃべりな私にとって苦痛でしかないわけですが、ルールと思って食べると存外と黙ったまま食べられるもので、毎年静かに、そして手早く食べ切っています。
本来ならばもっとゆっくりと味わって食べたいところですが――ルールに縛られている以上、こればかりは致し方がないでしょう。
何しろ恵方巻き自体も随分と大きなものが殆どですから。どうせ食べきるならもっと手軽で小さい方が恵方巻きとして合理的であるかと思います。
――と、言うことから、今年はいつもの豪奢な恵方巻きからガラッと方向性を変え、手作りの手巻き寿司にチャレンジしてみました。
酢飯と焼き海苔を用意して、あとは適当にお刺身の柵を買い漁って細長く切り並べるだけ。
玉子焼きも丁寧に焼いたらかなり上手にできあがりました。ちょっと強めに押しつぶしながら焼いたら具材として最適な形になったのが感動的でした。
各々が好きな具材を酢飯に載せて、不細工ながらも即興で巻いていく。
その形が本当に恵方巻きと言って良いのか定かではないですが、そんな不細工な恵方巻きを西南西に向けて黙って食べるのです。
今年の恵方、西南西は我が家にとってはテレビの置いてある方向です。
黙って食べろとは言うものの、ちょうどYouTubeで好きなチャンネルの動画を垂れ流しにしながら食べているわけですから、そう安々と簡単に黙らせてはくれません。
食べながらもつい画面に映る内容に反応しようとしてしまう――、無病息災という願いを蹴ってでも私は言葉を吐き出しながら恵方巻きを食べたのでした。

恵方巻きを食べましょう。

いいですね。

今年の恵方は西南西です。
西南西を向いて黙って恵方巻きを食べきりましょう。

モゴモゴォ!!

モゴモゴモガゴゴォ!!
モゴモゴォ!!

モゴモゴモゴォ!
モゴモゴォ!!

モゴゴモゴモゴォ!!