スイカを喰らうサトゥルヌス
おはよう、皆の衆。定次さんです。
先日、大きなスイカをいただきました。一人では到底食べきれないくらいに大きなスイカ。
どれくらい大きいかを例えるのであれば、東京ドーム一杯には到底満たない程度。
それでも一般的なスイカと比べて大きいと思えるくらいに大きなスイカでした。
スイカと言えば夏。夏と言えばスイカ。
セミの鳴き声が響くお昼過ぎ、家族仲良く縁側に並んで大きく切り分けたスイカを食べた日はいつの日か――……。
たまに通り抜ける涼風に「ちりんちりん」と鳴る風鈴の音――、そんな音を聞いたところで我が家に風鈴はないので、私は特別ノスタルジーを思い出すことはありません。
しかしながらスイカを食べるという行為に夏を感じるのは至って普通のこと。
エアコンの風を浴びながら涼しい室内で大きなスイカにかぶりついております、今回の記事でございます。
私自身あまり果物を食べることはないのですが、今回のスイカは上等な代物ということもあって美味しくいただいております。
切り分けた先端はサクサクと触感が良く、そして甘い。中腹部分にも十分に栄養が行き届いているようで、ネックとなる粉っぽさはなく、食べ進めても甘みが途切れることはありません。
種は多からず少なからず。種なしスイカというわけでもないので食べる途中でどうしても邪魔になるものですが、私にとってスイカの種とは些細な存在。文字通り取るに足らない存在ということで、全て井の中に収めて栄養としております。
「スイカの種を食べたらお腹の中で芽が出るよ!」
そんな迷信を私に言い聞かせようと、必死にメッセージを送ってくる閲覧者がいるという妄想をしながらスイカの種を飲み込んでおりますが、スイカの種は食べたところで消化されずに排出されることは百も承知。仮に芽が出たとしても、私の中の小さな農家が新しくスイカ栽培を始めるだけなので何の問題にもなりません。
スイカを食べる中で問題を挙げるとするのであれば、切り分けられたスイカが大きすぎて皮付近の身が上手に食べられないくらいでしょうか。
皮付近の食べにくい部分はスプーンを使ってくり抜きながら食べればいいだけの話ですが、ここでスプーンを使えばどこか負けた気分になってしまいます。
どうせなら多少は汚れてもかまわないという覚悟を持って、齧り付きながら自前の歯で削り取るように食べた方が粋というものでしょう。
私は顔よりも大きな皮を両手に持って、顔面を真っ赤に汚しながらスイカを食べたのでした。
スイカにかぶりつくその姿は恐ろしく、まるで我が子を喰らうサトゥルヌス。
今回の記事はそんなスイカにかぶりつく自身自身の姿とゴヤの描くサトゥルヌスを重ねてみたかっただけの、そんなお話です。
サトゥルヌスを知らない人は調べてみてね。