【空想カオスツール】小さい秋発見機
おはよう、皆の衆。定次さんです。
早いもので9月も3分の1を過ぎました。
小学生の頃はたった20分の休憩時間があんなにも長く感じられたというのに、考えれば考えるほど大人という存在が寂しいものだと痛感します。
1分1秒を大切にしろ――とはよく言ったものですが、そんな細かな時間に意識を向けられないのが大人というもの。
気がつけば……ほら、つい先程買ってきたばかりのコンビニのフライドチキンがなくなってしまっています。
現在時刻は22時を過ぎたところ。
こんな夜遅くにホットスナックをつまんでしまうのは何とも罪深い話ですが、たまにはこんな夜食もなかなか悪くないものです。
最近私は朝食にコンビニのおにぎりを食べるようにしているのですが、今回購入したおにぎりの消費期限が翌日の午前4時――つまるところ残り6時間しかなかったために今このタイミングで食べざるを得なくなってしまいました。
やはり"しめ鯖"を具材にしたおにぎりを選んだのが悪かったのでしょうか。
予想だにしない消費が増えて胃袋は悲鳴をあげているのか、喜んでいるのか……何にせよ食欲旺盛な夜の時間となってしまいました。
――あれこれ話している内に小鉢に盛られた味付けメンマや海藻の中華和えもなくなってしまいそうです。
こんな夜中にたらふく食べて非常に不健康な感じが否めませんが、9月のこの頃は食欲の秋。たくさん食べても誰も私を咎めることはできないでしょう。
フォール!!
フォール!!
フォール!!
おやおや、どこからか秋を喜ぶような声が聞こえてきます。
紅葉を愛でるのが秋の始まりのようにも感じますが、『食欲の秋』といった概念から始まる季節の訪れも悪くはないでしょう。
今年の気候は夏の尾を引きずる残暑厳しい暑い気候。せめて雰囲気だけでも『小さい秋』を見つけて季節の移り変わりを楽しみましょう。
そんな理由から開発されたのがこちらの機械でして。
テッテレテーッテッテー!!
“小さい秋発見機"!!
なぁにこれ。
小さい秋を発見する機械です。
小さい秋って言うと?
秋の季節の変わり目に出始める、秋っぽい風物詩です。
例えば何でしょう?
例えば秋の虫の鳴き声だとか、たまたま風に吹かれて飛んできた色付き始めの木の葉とか。
あぁ、実にわかりやすいですね。
山一面に色付いた紅葉は大きい秋としてカウントする感じでいいです?
まぁそんな感じです。
ところで、この機械の用途って何です?
世間が残暑にうなだれている昨今、いよいよ夏にも辟易している人も多いでしょう。
そんな夏の呪縛から解放させるため、秋の要素を見つける目的として作られました。
なるほど。
使い方は簡単。
電源を入れてこの機械が秋っぽい雰囲気を感知したらブザーが鳴る仕組みになっています。
なるほど。
検知範囲は粒子レベルの秋から感知することが可能です。
そのため、どんな小さな秋も見逃しません。
なるほど。
では早速電源を入れてみましょう。
フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!
フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!
フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!フォール…
・・・うるさいですね。
粒子レベルで感知するので、基本鳴りっぱなしです。
フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!オータゥム!!フォール!!
しょうもな。
因みに秋要素だけじゃなく、マンネリにも反応するようです。
『飽きっぽい』ってことですか。
しょうもな。
わっはっは。
フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!フォール!!