ちょっとしたダイアリー『トイレで凍死しそうになった話』


おはよう、皆の衆。定次さんです。
察しの悪い閲覧者の方々も薄々感づいているかとは思われますが、今宵は12月へと差し替わり、いよいよ冬らしい気候へと変わりました。
私が住む北の大地"北海道"は言わずと知れた北国であり、冬場の寒さは常夏のリゾート地とは天と地ほども異なります。
日頃から暖房の効いた温室の中、温かな羽毛布団を被りながらスマホを触ってばかりでまるで外に出ようとしない皆さんからすればこの北海道の寒さというのはなかなかどうして到底想像がつかないような寒さでしょうが、そんな皆さんにもこの北海道の寒さを限りなくわかりやすく例えて伝えるのであれば――この北海道の冬の寒さというのは"冬場の北海道"と例えばわかりやすいでしょうか。
冬場の北海道はまるで冬場の北海道のように寒い。
タンクトップに短パン姿で冬場の新千歳空港に降り立った観光客の皆が皆、口を揃えて冬の寒さに文句を垂れるこの時期ですが、北海道に住む人間が体感する寒さというものは観光客が面白半分で味わうような一時の寒さとはまるで違う。北海道に住む道民は慢性的に寒さと戦いながら過ごしているという前提をまずは皆さんに身を持って味わっていただけたらと思います。
今回はそんな寒さを私自身、身を以て酷く体感してしまったが故に、危うくトイレの中で氷漬けになってしまいそうだった――と豪語する記事を書き進めていきたいところなのですが、まずはその前に昨今の私のマイブームについて少しばかり耳を傾けていた抱きたいと思います。
最近私はとあるソーシャルゲームに熱中しておりまして、暇があればつい片手間にプレイをしてしまう日々を過ごしております。
そんなソシャゲが原因で記事の投稿が疎かになっている――なんて野暮なことはさておき、ただ、今回の話ではそんな熱中も度が過ぎてしまえばなかなかどうして悪影響にもなりかねないということをご理解いただきたいところです。
ストレス発散どころか逆にストレスフルになってしまうのが対人プレイ。
私が遊んでいるそのソシャゲにはオンライン要素があるのですが、世界中の誰かと手軽にマッチングし、対戦を楽しむことができたりします。
そして私は仕事帰りにいつもトイレへと入ったあとに、このクソを放り出す時間を利用して軽く対戦を嗜むようにしていました。
ただ、こういった対戦ゲームというのは一度プレイを始めたらなかなかどうして抜け出すのが難しく、「次勝ったら終わり!」といった即席のノルマを掲げることでズルズルとプレイ時間を引きずってしまいがちです。
先日の私は既にクソが便器の中に排泄され終えているというのに、切り上げるタイミングを見失ってか、延々と臭いトイレの中に閉じ籠もることがありました。
『勝つまでトイレ出られません』
陳腐な番組企画のようなノルマを掲げ、下半身をさらけ出したまま前傾姿勢でスマホに釘付けだった当時の私。
この陳腐な企画も今回行うのが初めてではなく、これまでも何度も行ってきたがために習慣付いてしまいました。
ただ、今回はどういうわけかなかなかどうしてさっくりと勝つことができず、全くトイレから出られません。
この日はいつも以上に寒さが厳しい冬日。リビングではストーブが焚かれて暖かな空気に満たされているというのに、私は玄関廊下の突き当たりにある寒さの掃き溜めとなっていそうなトイレの一室でガチガチと震えながらなかなかやってこない勝利を待ち続けていたのでした。
――一体どれくらいの時間を無駄にしたのでしょうか。
私のオンライン上のスコアは尽く下がり、フラストレーションはMAX。便器に押し付けたケツには既に冷え切ったであろう先程放り出したクソが臭気を当て続けていました。
その震えは怒りからなのか、将又凍えるほど寒い気候に当てられたからなのか……。
もどかしさばかりが渦巻くトイレの一室。ようやく念願の勝利を掴んで私は既に乾ききってしまった尻を急いで拭き、一刻も早く凍えてしまった体を温めようとリビングへと駆け込んだのでした。
駆け込んだリビングは悲しいかな全く以て暖まっていませんでした。
ストーブを焚いていたというのは私自身の思い込みであり、実際にはトイレの一室と何ら変わりない寒さがあるだけ。
私はこのままでは凍え死んでしまうと慌ててズボンを履き直し、一刻も早くシャワーを浴びたのでした。
急ぎ浴びたシャワーの温もりははかじかんだ手足指の末端には微塵も感じられず、まるで生きた心地がしませんでした。
しかし時間が経てば追々体は温まっていくもの。数分シャワーを浴び続けた後、私の体はようやく性を実感したのでした。
人が抱えるプライドとは命を賭してまでも大事なものなのか。
私は臭いトイレの中、ただただ凍えていた己自身に問うたのでした。




















【定次さん】





