The 灯油バー


おはよう、皆の衆。定次さんです。
いきなりですが、皆さんはオカルトを信じますか?
UFOでも霊現象でも何だっていいです。皆さんはオカルトを信じていますか?
私はどちらかと言えば信じている方です。踊らされているつもりはありませんが、世の中には不可解な現象が多すぎる。
それを理屈で考えるのも悪くはないかとは思いますが、結論が出ないからこそ「オカルト」の一言で済ますことができ、未知に怯える自身を納得させられる。
それ故に私は広い意味合いでオカルトという存在を信じています。
まぁ建前だけでなく、実際に不可思議な現象に見舞われた経験があるからこそ――ということもありますけどね。
――これは一昨日の出来事です。
少し前に私はスマートフォンの機種変更をしました。
これまでは画面に"戻るボタン"がある機種でしたが、新しい機種はその"戻るボタン"がなくなって画面端をスワイプするだけで前の画面に戻る仕様となりました。
今もこの操作には慣れておらず、時折は間違ってバックグラウンドのアプリを開く操作をしてしまうことがあります。
今回そのバックグラウンドを開いた時に身の毛もよだつ画面が表示されまして…。
このバックグラウンド画面というものは起動しているアプリを見たり終了させたりすることができるのですが、定期的に操作して裏で起動しているアプリを停止させなければ動きが重たくなってしまったり、電力の消費が大きくなってしまったりします。
そのため、今回間違ってバックグラウンドを開いたついで、私は溜まっているアプリを停止するよう順々に操作することにしました。
起動しているアプリが画面に出てきて、それを画面外へと掃き出すようにスワイプするだけで簡単に起動中のアプリを止めることができます。
スワイプしては流れてくる次の画面、スワイプしては流れてくる次の画面…。
かなり溜まっていたのか私の指は止まらずどんどんと次へ次へと流していきます。
記憶に新しい画面が見えてきて「もうそろそろ終わりかな」と思った矢先でした。
一瞬だけ見覚えのない画面が現れ、そのまま流れに任せて画面外へと消えていきました。
しかしサブリミナル効果とでも言うのでしょうか、指こそ止まりませんでしたが、一瞬だけでも映った画面は目に焼き付き、その目から離れない内容に私は思わず恐怖を覚えてしまいました。
そのアプリは音声メモだったと思います。後ほどアプリ一覧からアイコンを確認しましたが音声メモ以外に考えられるアプリはありませんでした。
しかし私は音声メモを使用した覚えがありません。
ここ最近だけならともかく、新しくこの機種に変更してからというもの一度も使った覚えがありません。
「わたしはずっとここにいますよ」
メモとして入力されていた一文。
一瞬だけ映って消えていった画面ですが、私に恐怖を与えるには十分なものでした。
見に覚えのない一文。そしてそれも全て狙ったかのようにひらがな。
一体何に、どういった意味合いでのメモだったのでしょうか。
今改めてこの件についてメモをしていたネタ帳を見ようとしたらエラーが発生して開けませんでしたし…。
単なる音声ソフトの定型文であれば良いのですが…。