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雨の夜の学校探し

2024年6月21日冒険,地元住民になるには,好奇心,学校は地域に守られる場所に立っているもの,学校マウント,脳が壊れる,頭をバグらせる方法

雨の夜の学校探し

ご挨拶(ノーマル)

おはよう、皆の衆。定次さんです。

夜の街というのは何かと趣があり、ふとした好奇心から外出するのは冒険心がくすぐられて面白いものです。

今しがた私はイカソーメンを貪り食べながらこの記事を書いているのですが、このイカソーメンを購入する際、出かけたついでに通った寄り道というのがなかなかどうして面白みがあったものでして。

今回はその時に感じたことをお話として紹介させていただきたいと思います。

 

その車内、私は妻を助手席に乗せ、他愛もない話をしておりました。

やれ今の車の運転マナーがどうだとか、やれ知人から聞いた話がどうだとか……いつもの通り話を弾ませながら楽しげのある雰囲気で車を走らせておりました。

そしてその話題の中、妻がとある学校についてのことを話し始めたのです。

 

私は元々余所者であって、今の土地に移り住んでから6,7年の新参者です。

妻は大凡10年以上が経過するでしょうか――6,7年も住んでいたらそれなりに土地柄が見えてくるとは思いますが、10年以上も住めばその土地の大体のことを把握しているでしょう。

しかしながら実際には細々とした部分に関してはめっきりであって、その時に話した内容も「○○学校の場所がどこかわからない」というものでした。

 

妻が働く職場で交わされた会話――元を辿るとそこから話は始まりました。

職場の同僚との会話の流れから「○○学校ってどこ?」と聞いたところ、「10年も住んでいて学校の場所も知らないなんてまだまだ住民とは言えない」と笑われた――と、いう出来事があったと助手席で妻が笑って話しました。

 

長年住んでいても意外とわからないところがあるのだなと思った私でしたが、私自身もその話を聞いて妙に腑に落ちない部分がありました。

移住して間もない新参者と言っても、ある程度のところは車で走った経験はあります。

細かなところまでは思い出せないかもしれませんが、今やカーナビが当たり前な時代。少し記憶を辿れば脳内の地図に学校があるかどうかというくらいは思い出せるはずです。

 

――しかし残念ながら力及ばず。

朧気ながら思い出す限り、私の中にもその地区に学校が置かれている印象はありませんでした。

いくらその地区がある程度広いとは言え、大半が住宅街。張り巡らされた路地の中に学校が存在することが到底想像できなかったのです。

 

どうせならということで、イカソーメンを含めたいくらかのお菓子を購入した帰り道に帰路の延長線上にあるその地区まで走って確かめようと考え、私は車を走らせました。

雨が降って路面が濡れた夜の道。普段よりもよっぽど見えづらい車線の傍らをゆっくりと走らせながら、家の前を通り過ぎました。

 

――人間というものは頭と体で分かれているとよく言われます。

興味関心から車を走らせたのは私の体。いくら頭の中でわかっているとは言え、脳は既に帰路に就くことを考えていたのでしょう。

家の前を思い切り通り過ぎた時点で私の頭は混乱に陥りました。

普段からこうして日々ブログの更新に力を注ぐ人間性を持つ私です。いくら自身の起こした行動とは言え、ルーティンから外れるようなイレギュラーが発生したと感じたら処理が追いつかなくなってしまうのも無理はありません。

私の体は尚も嬉々としてカーナビを頼りに未知の学校へと車を走らせています。

それを制御するのはもちろん脳。最低限の交通ルールを破らせまいと適切な車の操作を行わせます。

しかしその傍ら、「何故この道を走っているのか?」と疑い続ける自分がいました。

雨に濡れた夜道が普段家は見え方が違うということも相まって、自分が一体どこを走っているのかわからない……尚も車を走らせ続ける体に脳はただただバグのような光景を思い浮かべているばかりでした。

例えるならば『故意に従わない運転に対し、無茶苦茶なルートを提案し続けるように変わったカーナビ』といった感じだったでしょうか。

「家に帰る」という気分と「知らない景色を見たい」という好奇心が交錯した複雑な脳内――その学校の場所に到達して実物を確かめるまで私の混乱は落ち着きませんでした。

 

雨が降りしきる中、住宅街のど真ん中にその学校はありました。

傍らに生い茂った雑木林の闇に隠れるようにひっそりと佇む校舎。

こんなところにあるものなんだなと――、城で例えたら攻めにくい場所に建っているなという毒にも薬にもならなさそうな印象だけを覚えて、ゆっくりと校舎の横を通し過ぎながらようやく帰路へと就いたのでした。

 

途中頭が混乱し、それでいて好奇心を満たす程度にしか得られるものがなかった一連の行動でしたが、この意味のなさそうな行動もまた、雨の中のドライブといったような趣のある時間として過ごせたと後々思いました。

 

住宅の隙間から見えたその校舎はとても小さく、そしてグラウンドも然程広いものではなかったように感じました。

しかしこれは自分たちが大人になったからであって、子どもたちからしたらとても大きな世界なのかもしれません。

実際問題、私が通っていた学校は田舎だったこともあって校舎やグラウンドが広く、プールも2種類設けられていました。

給食センターも隣接してあることから給食はできたてが食べられましたし、中学校に至ってはテニスコートも4面設置されていて、夏場は傍らを流れる川で泳いだりなんか・・・

そんなところで張り合わなくてもいいです。

何にせよ私の考える学校という概念が覆る冒険となった今回の寄り道でした。

用事を済ませたら真っ直ぐ家に帰るのも結構ですが、たまには見知らぬ土地を冒険してみるのも楽しいのかもしれません。