茹でかけババア
おはよう、皆の衆。定次さんです。
皆さんは"じゃがりこ事件"というものをご存知でしょうか?
これは私がまだ小学生の頃に私の身に降り掛かった不幸なんですが、その日私は同級生の友人を何人か家に呼んで皆で遊んでいたんです。
そして午後3時を過ぎる頃、私の母がお菓子としてじゃがりこを配ったのですが、どういうわけかじゃがりこで遊び始める輩が出始めましてね。
食べ物で遊ぶんじゃないと怒られそうではありますが、何しろこの時は子供時分。手に触れたもの全てが興味関心の対象となり、玩具となってしまうお年頃です。
手遊び程度のレベルから次第にエスカレートしていき、次第には鼻の穴に詰めて変顔をしてみようと言い出す始末。
しかしいくらお菓子を玩具にするにしても、不衛生極まりない鼻の穴の中に詰めるという行為は食べ物を捨てるという行為と同意義ということにもなるため誰もやらない。
そこで標的となったのが私だったわけなんですが、私は手足を押さえつけられ、羽交い締めにされて抵抗虚しく無理矢理にも鼻の穴へとじゃがりこをズブズブと押し込まれてしまいました。
冗談程度に押し込んでいた友人らも実際の力加減というものがわからず、挙げ句、私は勢い良く鼻血を吹き出す始末。
鼻血を吹き出して喚き散らす私を見て友人らは突如興醒めしてか、自分達の行ったことの重大さに苛まれ、忽ち居たたまれなくなってしまい、慌てて帰り支度を始めてそそくさとその場を後にしてしまいました。
喚く私に何事かと母が駆けつけますが、その場には一人取り残され鼻血を吹き出す私と先端が赤く染まったじゃがりこが。
母は私の状況を見て友人らを追いかけて叱りつけるかと思い、私はそれを期待したのですが、どういうわけか叱りつけられているのは一番の被害者となる私。
理由が何だったかは覚えていません。ただ必死で言葉にならない言葉で弁明をしようとしていましたが、私はその場で一方的になじり続けられました。
この時私は世の理不尽さを小学生ながらにして酷く感じました。
今となっては笑い草となっていますが、あの日、あの時にあんな事件がなければ私は今よりも多少なりは素直な性格になっていたかもしれません。