【空想カオスツール】入れ墨隠す用スキン


おはよう、皆の衆。定次さんです。
普段からお風呂に入るのが面倒だと思っていても、温泉や銭湯といった大衆浴場はまた別腹に思えてしまうのは何故でしょうか?
私は昔から入浴自体を面倒だと思ったことはなく、むしろ好んで入っていた人間ではありますが、何だかんだで大衆浴場と言った大きな浴槽に浸かるのは非常に高揚したものです。
非日常……とまでは言いませんが、どこか特別感のある出来事に心が踊るのは誰しもが同じなんだろうと思います。
さて、昨今の私は大衆浴場を巡るといったような大人の趣を覚えて不定期的にいくつかの浴場を回るようになりましたが、どこの施設も入れ墨やタトゥーといった人の入場を制限しているのが見受けられました。
この令和になったご時世、ファッション感覚でタトゥーを入れている人も少なくありません。何なら小学生時代に鉛筆の芯が皮膚の下に入り込んでしまったのを武勇伝としていつまでも語っている人もいるでしょう。
私自身、体に入れ墨を入れているわけでもありませんし、この手のファッションについてはセンスが皆無なので別段肯定も否定もしませんが、入れ墨=反社会勢力の人間というプロセスが出来上がってしまっているという理由で全ての人を拒絶するというのも多様性を重んじる現代と逆行しているように常々感じております。
古き良きを重んじるという考えは素晴らしいことだと思いますが、頭を固くすることと多様性を受け入れるかどうかはまた違ってくるでしょう。
私自身、多様性云々という昨今の訴えについてはその一言で全てを片付けられることができるため、こういった意見に関しては慎重に検討していきたいとは考えておりますが、この世界における万物万象は極論で収まる話ではありません。
よって今回の件については時代の流れに沿って柔軟に変化をしていくべきであると私は思います。

そこで折衷案として開発されたのがこのアイテムでして。


テッテレテーッテッテー!!
“入れ墨隠スキン"!!

なぁにこれ?

入れ墨を隠すためのスキンです。

これを着たらお風呂場に入れるってこと?

あくまで秘密裏にですが。

どうしても温泉などに入りたいと悩んでいる人のために開発されました。

本人の経歴自体は隠してくれないんですね。

入れ墨をしている人の全てが悪い人というわけでもないですので。

一応サイズも一通りあって、男性用だけでなく女性用もあります。
オーダーメイドで肌の色や体型、体毛なんかも変更できます。

割と有用的じゃないですか。

でもどうせ何かしらの欠陥があるんでしょう?

指摘の通り、確かに欠陥がありまして。
実際問題防水性に難ありです。

膨らんだり溶けたりするんですか?

いや、その逆でして。

逆ぅ?

防水性能100%でして。

別に悪くないのでは?

お湯に浸かる目的で使用しているのに?


・・・あー、なるほど。

テスターに渡してアンケートを取ったところ、全員から否定的な回答が返ってきました。

本末転倒だったって?

いえ、サイズが合わなかったって。

まだプロトタイプだったのでサイズが用意できてなくて。

用意しておきなさいよ。

一つ思いついたんですけど

何か。

浴場で使用できなければプールで使えないですかね?


あー・・・。

それ思ったんですけどね。

何か。

この話って使えそうで使えないツールをコンセプトにした記事なわけですから、そういうのいらないんですよね。

・・・は?

というより、入れ墨を隠すためのシールやテープといったツールは既に出回っているわけだから、こんなもの紹介しても世間知らずって嘲笑の対象になるだけなんですよね。

だから今回の話はボツってことで。

は?

そもそも温泉やらに入れないってわかった上で入れ墨を入れてるんだから、入れないことに悩んでいるなら最初から入れ墨を入れるなって話でして。

だから――、

・・・

・・・

話の着地点が見つからない。

入れ墨を入れるのも入れないのもスキン(好き)にしろってか。

わっはっは。