レジ打ちは今日もおおわらわ!
おはよう、皆の衆。定次さんです。
現在時刻は夜の23時5分手前。厳密に言えば夜の22時55分でございます。
良い子は布団に入って夢の中。年老いて睡魔が近いジジババも布団に入って夢の中……そんな世俗が寝静まった時間からお送りする今回の記事ですが、私からすればまだまだゴールデンタイム。
今からじっくり時間をかけてこの記事を書き上げ、軽くテレビゲームを嗜み、そしてまた次回の記事を考えながら眠れない夜を迎えて次の朝にむっくりと起き上がるのです。
そして現在はどういうわけかミルクレープを食べている最中の私。
こんな時間からミルクレープを食べるなんて相当罪深い行いであるかとは思いますが、頭を使いながら書く文章に当分は必要不可欠。このミルクレープは完食した後に消化され、糖となって吸収されるのです。
さて、頭を使いながら文章を書くと申し上げましたが、実を言えば私の記事というのは大半が口語形式で書き殴っているため、然程頭を使って書いていることはありません。
普段通り誰かしらと会話をするようにキーボードを叩き、何事もなかったかのように終えるのです。
他愛ない話題を振りかざして、オチもなくフェードアウトするのがこの下衆と皮肉の記事の特徴と言えるでしょう。
故に昨今の検索エンジンに媚びたようなコラムに辟易している方も多いと思います。
以前のように適当な言葉を並べたダラダラとした文章の方が読んでいて面白かったと……そんな意見が架空の大型掲示板によく書き込まれている妄想をしております。
ですが問題ありません。
こうもSEOだのコラムだの言っておりますが、実際問題私はSEOもコラムもよくわかっておりません。
元はと言えば私の長ったらしく回りくどい文章力を見せしめるために始めたこのブログ。たまには原点に帰って日常で起きた出来事を日記形式で書き上げてもいいじゃないか――そんなことを思い今回の記事では先日私の身に起きたとある出来事をお話していきたいと思います。
ことは近所のドラッグストアでの出来事。
快便を促すためにファイバー的飲料と、その他に晩飯のおかずにでもなればと思って適当に食肉加工品をカゴにぶち込んでお財布片手にレジへと私は向かいました。
時間は夕飯時少し手前のお客さんの混雑が少々解消されつつある18時頃。
いつも買い物をする時は店員さん1人でレジを捌いているところ、今回は多少ばかりレジ待ちのお客さんが並んでいたからか、2人でレジを回していました。
いくらか並んでいるとは言え、私は急ぎというわけでもない。多少待とうが別に何も感じることもないくらいの余裕を持ってふらっと適当に列へと並びました。
何も考えずに並んだのが功を奏したのでしょう。偶然にも私の並んだレジの列は少しばかり早く進んでいました。
まだまだ遅れている隣の列を横目で見ながら心なしかほくそ笑む私。余裕があったとは言え、優位性を感じたところで少しばかり優越感に浸っていたのです。
そしていよいよ次には私の番だと言う頃。隣の列はまだまだゆっくりと進む中、前のお客さんがカウンターにカゴをドッと置きました。
本来であればここで手前のお客さんのカゴに凄まじい量の商品が入っていることに気付き、そこから遅れを取って悲しい思いをしてしまった――というのがよくあるお笑い草となる話の流れとなるでしょう。
しかし今回の私は抜かりない。ドンと置かれたカゴの中、それほどまでに溜まっていないことは並んだ際に既に見抜いておりました。
このままスムーズに買い物をすませ、さっさと帰宅してしまおうと思いながらぼーっとカゴを持って突っ立っていた私。
なかなかどうしてこの瞬間はとても時間がゆっくりに感じ、いつまでもこの姿勢でいられそうな気がしていました。
しかし現実の時間というものは誰しも平等に流れているもの。そろそろ自分の番かと思い、カウンターにカゴを置こうとしましたが、どういうわけかまだまだ前のお客さんの会計は終わっていない。店員さんの様子を見るとどうやらあたふたしている様子で何だか不穏な感じです。
急にカウンターを飛び出す店員さん。小さな箱を片手にすぐに戻ってくるやいなやお客さんの手元に渡しています。
お客さんの影からにゅっと伸びた小さな手がそれを掴みました。どうやら子供がいた様子で、一番くじを注文していたようでした。
ドラッグストアに置かれた一番くじは店舗によっては景品の置き場所が遠いことがあります。今回買い物をしているお店もそれでした。
店員さんがまたしても慌ただしくカウンターから飛び出してその女の子に景品を渡します。結構時間がかかっていたものですから、どうせならA賞やB賞のような良いものでも当たっていたら良かったというのに、1回こっきりで購入したくじから女の子が手に入れた景品はキャラクターがあしらわれた小さなタオル。渡された女の子も特別嬉しそうにしているわけでもなく、むしろふてくされた様子が伺えました。
一番くじも片付けが終わってようやく私の番かと一度おろしたカゴを再びカウンターに乗せようとします。
しかしまだまだ居座るお客さん。
一体何だと思えば、手元に見えるのは支払い用紙。昨今のドラッグストアは公共料金の支払いにも応じてくれて非常にありがたいものだとつくづく思います。
しかしこれだけ待ちながらも更に時間のかかる作業を増やすかと、余裕がありながらも奥底では何かモヤモヤしたものを覚え始めた私。これが苛立ちであると気付いたのは無意識に足が軽くタップを踏んでいたからでした。
支払いは勿論現金じゃない。キャッシュレス決済が浸透しつつあるこのご時世。円滑さを求めればキャッシュレスの方がよっぽど効率的ですが、不慣れな人がこういった場で使用すると手こずってしまうのは誰もが予測できることでしょう。
気がつけば隣のレジの列は既に解消しており、次から次へと円滑に回転している様子。
並び直した方が圧倒的に早いことはわかっていましたが、既にカウンター前まで入り込んでいる手前、並び直すのにも気が引けます。
しかしそれでも私には余裕がある。
足で刻むビートが早くなろうとももう片足で我慢するように抑え込み、鼻息荒くなりそうなしかめっ面は天を仰いで大きく息を吸い込み続けました。
「お待たせいたしました」
ようやく回ってきた私の番。
こうしている間にも7人ほどに隣の列で抜かされてしまいました。
あれほどまでに優越感に浸ってほくそ笑んでいた顔はいつしか石のように固くなり、私自身は両手でカゴをぶら下げなら隣のレジを通っていくお客さんの数を数えるだけの悲しいマシンへと変わっていたのでした。
虚無のままに会計が済みます。時代に遅れた私は勿論未だに現金払い。余裕を持って端数を合わせ、少ない小銭を受け取ります。
虚無のままに近くのサッカー台へとカゴをよっこいしょする私。今回は買い物袋を持ってきていないのでレジ袋は有料で購入したつもりでした。
しかしここで気づくとどめの一撃。カゴの中にレジ袋が入っていない。
この日の私はきっと何か良くない運気に見舞われていたのでしょう。
特に悪びれる様子も見せない店員さんに物悲しい視線を浴びせ、微妙に大きすぎるレジ袋を片手に私はトボトボと帰路へと就いたのでした。