【コラム】伸びるブログ 伸びないブログ
おはよう、皆の衆。定次さんです。
形は多少変われど、インターネットが広まった当時から現在も幅広く愛されるブログという存在。
正式名称は『ウェブログ』。その名の通り、ウェブ上に残る記録のことを指します。
書き手の軌跡を記す日記的な用途から些細な疑問を解決してくれる見聞録、QOLに役立つ時事の紹介などその幅は多岐に渡り、インターネットを楽しむ上で欠かせないものとなっています。
特別賑わっているわけではありませんが、この下衆と皮肉もそんなブログの端くれとして一つのジャンルを担わせていただいております。
これも日頃から皆さんがご愛読してくださっているお陰であると常々思っている建前でお話を進めさせていただきたい所存ではございますが――、実を申し上げますと今回の記事はそんなウェブログの話ではなく、別の世界線で今流行っている子供向けオモチャ『ブーゲンローグ(通称:ブログ)』の紹介となります。
酷似した名前なので非常に紛らわしく、こうして両膝を床についてご拝読くださっている閲覧者の皆さんを騙すようで非常に心苦しいところはございますが、当方としても皆さんを騙すつもりは毛頭ない話でありまして、故に今回はこの『ブーゲンローグ(通称:ブログ)』についてじっくり紹介させていただきたいと思います。
別の世界線で今大流行の子供向けオモチャ『ブーゲンローグ』。通称『ブログ』として親しまれている当該商品は、流行している現在より遡上して53年前の全世界大恐慌時代に娯楽用のグッズとして『UC.ガルトラーバル社』により発売されました。
対象年齢は3歳以上。カートゥーンなデザインにデフォルメされた人形を模しており、伸縮性のある簡素な棒状の胴体部分を軸として、おどけた表情の顔に稼働する手足が取り付けられている形状をしています。
UC.ガルトラーバル社は元々運送業を目的として55年前に開業しましたが、当時運送業は人工知能を運用した反重力運搬方法がシェアの大半を占めており、そこに人の温かみを強みとして人力での運送で参入しようとしたところあえなく撃沈。当時の社員が暇な時間に作った適当なキャラクターを半ばヤケクソで近所の雑貨屋で売りに出したところ、それなりに売れたため子供用玩具の製造会社へと転向しました。
その当時雑貨屋に売りに出した適当なキャラクターに改良を加えたものが今回紹介する『ブーゲンローグ(通称:ブログ)』であり、この商品は当時3歳児だった子供に孫ができるようになった現在もシリーズ化されて愛され続けています。
初代は木製の棒をカッターで削っただけの非常にお粗末なものでしたが、2代目以降は当時最新技術だった4Dレーザビルダーを使用することによって量産化、機能自体もシリーズを追うごとに徐々に変わり続け、特に6代目となる十徳ナイフのような様々なツールを仕込んだものや、11代目の自動発火装置付きについては製造が追いつかなるほど爆発的なヒットを記録しました。
しかしながら、流石にシリーズも現在発売されている117種まで増えるといくつかは失敗作と言われるほど売れないものもあり、中でも56代目のキャスター付きや98代目の色違いバージョンなんかはあまりの売れなさに製造数が他よりも圧倒的に少数で、マニアの中ではプレミア価格で取り扱われていたりもします。
そしてまたしても大ブームを引き起こしているのが現行117代目のブログとなるわけですが、この117代目はこれまでのシリーズと大きく異なり、頭の部分も弾力性のある素材を使用されています。
機能としては特段目立ったところはありませんが、今回頭の部分が弾性素材であることで強い衝撃を与えても然程ダメージとならない利点が加えられました。
スタンダードタイプは既存のままの形状をしていますが、オプション設定を加えることで両手足の取り外しが可能となり、胴体部分に単4乾電池を3本挿入することができるようになりました。
これにより使わなくなった電池なんかを当該アイテムの中に入れたまま可燃ごみとして破棄ができるように可能となり、様々な消費者から『すごく便利』だという声が上がるようになりました。
しかしながら多数流通するだけあってこのブログにもいくつもの類似品が出回るようになり、昨今では偽物を購入してしまったことで悩む消費者も増えているとのことです。
UC.ガルトラーバル社は類似品の購入に対して注意喚起を促していますが、最近の偽物は非常に精巧にできており、購入時点で見分けることが非常に困難であると言われています。
伸縮性のある胴体部分が伸びるかどうかというのが見分ける方法であるとUC.ガルトラーバル社は発表していますが、購入者の大半は伸縮性については全く必要としておらず、悩む理由としては「偽物を掴まされてしまった」という自尊心の喪失がほとんどだそうです。
伸びようが伸びまいが愛され続けられているのがブーゲンローグ。
これからもシリーズを重ね、世代を超えて多くの人に愛されていくことでしょう。