チョコレートが中までたっぷり染み込んだコンプリートガイド


おはよう、皆の衆。定次さんです。
人々が永遠に追い求めるもの、それはいつだってロマンです。
思い切ってあんなことをしたい――そんなことを思わない人はこの世にいないでしょう。
私だってそうです。常日頃からあんなことをしたい、こんなことをしたいと青だぬきのOP曲よろしくロマンを追い求めています。
そしてその私が追い求めるロマンの中には定期的に訪れる鉄板ネタならぬ鉄板ロマンというものが存在するのですが、どんなことかと言いますと、"刺身用の柵をまるごとかぶりつきたい"というものだったりします。
世の中刺し身が好きな人は多いでしょう。
しかしいざ刺身を食べる機会があったとしてもそれは到底独り占めできるものではなく、大抵は譲り合い、もしくは奪い合いでなかなか望む量を口にすることができません。
ですが私が述べる柵のかぶりつきというものはそんな願望をワイルドなまでに叶えたロマン。
社会人にでもなればほんの数百円するだけの刺身用1パックも手が届かない存在ではないはずです。
マグロだろうがブリだろうが真鯛だろうがサーモンだろうが何だって自分の望むがまま。包丁すら取り出さずにパックから取り出してさっと流水で洗い流せば簡単ロマンスナックのできあがりです。
どうせ食べるのも自分だけ。見ている人間なんて誰もいません。自分で得た権利が刺身用の柵として目の前に形を成しているのです。
その形がロマンそのもの。あとはひと目も憚らず行儀も作法も恥も外聞も全てを捨て去って思いっきりかぶりつくだけです。
醤油を垂らしてかぶりつくもよし。小皿に分けてもよし。何だっていいんです。
一口かぶりつけば口の中と頭の中、そして胸の中がいっぱいになり、そして2口目には後悔の念でいっぱいになります。
そう、刺身用の柵はまるごと食べない方が美味しいのです。
私は柵のかぶりつきをロマンと紹介しました。そして私自身過去に何度も冊ごと食べて欲求を満たしています。
しかしその都度後悔をして「二度とやるもんか」と決めているのです。
皆さんはやめた方がいいですよ。刺身が何故薄く切ってあるのか、ロマンの先にその答えが見つかるはずですから。