なくしたメガネの見つけかた
おはよう、皆の衆。定次さんです。
私自身、視力が良かったのはもうはるか昔の話。
高校を卒業するまでは裸眼でも何の支障もなく日常を過ごすことができておりました。
しかし、社会の歯車となってからというもの時代もあってかディスプレイを眺める日々ばかりとなり、眼鏡がなくては日常もままならないくらいに視力が悪くなった今現在です。
医療技術も発達しており、金のものを言わせれば悪くなった視力も回復させることが可能ではありますが、いかんせん袖を振るどころか腕さえももがれてしまっている貧乏人には到底そんな余裕はありません。
足りない視力は眼鏡をかけるかコンタクトレンズをつけるかで補うことが可能ですが、やはり裸眼と比べたらいくばくか不便があるのは否めないでしょう。
私自身、眼鏡がなくても多少なりは目が見える程度に視力が残っているため然程苦労はありませんが、人によっては見える世界も全く見えないくらいにピントが合わず、陰影と色の判別程度しかわからないくらいに症状が重い方も珍しくありません。
そんな人たちにとって外した眼鏡を探し出すまでのインターバルがいかに大変なことか――、生活する上で必需品となるものが手元から離れた時の不安と言ったら何物にも名状しがたいものでしょう。
――そこで私は考えました。
見つからない眼鏡を探す効率的な方法というものを。
今回の記事では私が考えたそんな画期的な方法を皆さんに紹介し、視力難民な方々を救っていきたいと思います。
まず一つの策として予めアラームなどの音響機能を取り付けておくこと。
これはなくしてしまうことを前提としていて、更には技術的な問題もあるためあまり現実的な方法ではありませんが、もしボタン一つで眼鏡からビープ音でも鳴らすことができたならば、部屋の中でなくしてしまった時といったありがちな問題はすぐに解決できるでしょう。
皆さんにも心当たりがあるかと思いますが、スマホをなくしてしまった時に着信を鳴らすなんて経験をしたことがあるでしょう。
人間目が見えなくとも耳さえ聞こえていれば意外と何とかなるものです。
むしろ限定的な範囲から多い情報を得られる視覚的情報よりも広範囲から得られる聴覚的情報の方が効果的かもしれません。
――音を鳴らすためのスイッチをなくした場合はどうすればいいかって?そんなもんはまたスイッチ自体にも音響機能を取り付ければいいだけの話です。
眼鏡から音を発生させるためのスイッチから音を発生させるためのスイッチから音を発生させるスイッチから音を発生させるスイッチ……と最終的には一昔前のストラップつきまくりのケータイみたいなものになるかもしれませんが、そこまで物をなくすくらいの人であれば早急に視力回復の手術か、脳みその手術をするのを推奨します。
しかしは無くしやすい物から音を発するようにさせるのは何でも応用が利くものでして、この方法は眼鏡だけでなく部屋の鍵やテレビのリモコンなどにも十分に活用ができます。
しまいには部屋のそこら中から大量のビープ音が鳴るようになるかもしれませんが、それはそれで病院で脳みそを診てもらうための良い指標になるかもしれません。
さて、上記の方法は応用こそ利きますが、最初に説明した通り技術的な面やビジュアル的な面であまり現実的ではありません。
ならば他にどういった方法があるのか――。
次に説明する内容こそ今回の大本命となるのですが、これは誰にでもできますし、何よりお金もかからないので経済的にも良い。
何なら先程の方法のように無くしやすいアイテムに応用も利かせやすいと思われますので、是非とも眼鏡だけでなく色々な物に試した上で、身の回りで困っている方に教えてあげていただきたいです。
さて、そんな気になる方法ですが、予めいくつか準備が必要となることはご了承ください。
具体的にどういったことをするのですか?
結論から言えば、無機物に意思を持たせることです。
あ、もう駄目だこれ。
参考にならんやつだ。
無機物に命を吹き込む黒魔術を義務教育で学んだかと思いますが、この術式のコマンドを一部変更して呼びかけに応えるようにできるよう設定します。この際に物に名前をつけると扱いが楽になります。
そうすれば後はもう簡単。なくした時も名前を呼べば「どこにいるよ」といった答えが返ってくるはずなので、それを元に探し出せばいいだけです。
更に高度なテクニックを組み合わせれば、手足を生やすことで自ら歩み寄ってこさせることもできますし、そんな手足が生えている見た目が気になるのであれば、管足みたいな物を生やしても良いかもしれません。
ただ、この方法で一つ十分に注意してほしいのが、あくまでこちらからの簡単な問いかけに反応するだけの単純なシステムで止めておくことです。
間違っても自ら考えを起こすような自律的なコードを組み込むような真似はしないようにしましょう。無機物が感情を持ち始めたことで滅んでしまった国を私は知っています。
何なら私自身もその滅んだ国で生まれた人形・・・というのは冗談で、下手をすればそんな未来もあり得るということだけ肝に銘じておいてください。
上手いこと扱うことができるようになれば、紛失なんて言葉が辞書から消える日も近いかもしれません。
何かわからないことや質問があればどうぞ。