ブラウン管は液晶漏れに強いからな
尻との疎通って取れるのでしょうか。
昨日私はトイレに座り込みながら深く考え込んでいました。
何しろふんばっていたところ、急に私のお尻が相槌を打ってきたのですから。
「んー?んー……」
おっさんがクロスワードパズルを解いている時に捻り出しそうな(尻だけに)声で尻はふんばる私に対してアクションを仕掛けてきたのです。
私自身特にお尻に対して何かを問いかけたわけでもありません。お尻が疑問を呈すような糞を放り出していたわけでもありません。
しかし彼には何かが引っかかったのでしょう。納得がいかない様子で尻からその存在を主張してきました。
そして私はそれに対してなんて答えればいいかわからず、思わず黙ってしまいました。バイト中、休憩室でそれほどまでに仲が良いわけでもない人と二人っきりなったような居心地の悪い空気が周りを包みます。
私は一度力むのをやめ、様子を見ることとしました。彼も何かを悟ってかハッとしたようにそれ以上何も言ってきませんでした。
その後は結局出るものも出ず、そのままトイレを後にすることとなりました。彼もお尻の奥深くへと帰り、これでお開きとなりました。
彼は一体何を伝えたかったのでしょう。何が気に食わなかったのでしょう。そして私は何も答えませんでしたが、この行為は彼にとって正解だったのでしょうか。
常識的に考えたらお尻からの問いかけに対して反応を示すのは良くないことであると今改めて思います。
何しろトイレの個室で誰かが何かに対してブツブツと独り言を言っていたら恐怖でしかないじゃないですか。勿論それが電話先の相手との会話であれば考えられないこともありませんが、一人で自分のお尻に向かって話しかけているなんてことが事実であれば、それはもう人としてどうなのかという話です。
尻に顔を書いて踊る芸や、空気を含ませておならを出す芸当であれば世の中にはごまんとあります。
しかしそれらは全て"本物"ではない。それら全てに魂は入っていません。形は成していますが器ではないのです。
お尻に宿る彼らは奥深くに存在します。そしてそれは意志を持つ存在。これ以上コンタクトを取る気は毛頭ないですが、彼らは間違いなく存在します。
機会があればこの日記を読んでいる人も試してみるといいでしょう。尻との和解はきっと健康に繋がるものとなるはずです。