前の車からいかつい男がおりてきた!


おはよう、皆の衆。定次さんです。
交通マナーあれこれ、交通トラブルあれこれ……そんな動画をネット上で視聴するのは皆さんもお好きでしょう?
迷惑運転といったマナーの悪いドライバーや、ドライブレコーダーで撮影された衝撃的な事故の瞬間といったものをまとめた動画というものがありますが、不謹慎ながらも他人事と思って視聴すると、なかなかどうして夢中になって観てしまうものです。
しかし実際にそんな体験をしてしまったならどうでしょうか?
当事者からしてみたらとてもとても笑い事では済まされないはずです。
――そんな交通トラブル、運転マナーについて語っていくのが今回の記事。
実際に最近私が体験したことを元にお話を広げていきたいと思います。
これは私が3ヶ月ほど前に職場へと向かう途中で体験した出来事ですが、その日も私は普段通りの時間に家を出て、いつもと同じ道をいつも通り走っていました。
職場までの距離はおおよそ6km。
途中、人が混雑する町中を通り抜けるルートを走りますが、国道や大通りといった道を通るよりもよっぽど職場までの距離が短く、右左折も少ないので、比較的快適で安全だと思っています。
しかしいくら安全と言っても、他に車が走っている以上、交通上のトラブルはどんなところにでも起きるもの。
抜け道のような細い道を走るとしても流石に朝の通勤時間帯、前も後ろも連なった状態が続きます。
町中を走り抜けるだけあって交差点も多く、故に信号も多い。タイミングが悪ければ都度止まっては進むの繰り返しでもどかしい時もあったりします。
そんな信号待ちのタイミング、前にも後ろにも動けないタイミングでその出来事は起きました。
交通トラブルで事故の他に怖いのが人間関係のトラブル。
ドラレコ動画にもよくある内容のもので、前の車のドアが開いてドライバーが降りて向かってくるといった動画を観たことがある人もいるかと思います。
動画で観ている分には「ヤバいやつがいる」と指さして笑って済むものですが、実際に現実でそんな人間と鉢合わせてしまった時、人は動揺してしまって上手く対処ができないものです。
実際問題、運転中に起きた些細なことから派生する交通トラブルというものはろくでもない場合が多いです。
相手は考えるよりも先に手が出るような、理性よりも本能に突き動かされているような人間がほとんどですので、かの有名な煽り運転事件よろしく、最悪の場合は傷害事件にまで発展する場合も考えられます。
人間、タガでも外れていなければいつだって最悪のケースを想像するもの。前の車からいかつい男が神妙な顔つきで降りてきた時には戦慄すら覚えてしまいます。
強張った表情、緊張からハンドルは両手で強く握りしめ、視線はドアを開けて向かってくる右斜め前の男に釘付けです。
コンコンと窓を叩かれ、一体何かと声が通るくらいに窓が開きます。
「ボンネット開いてますよ」
私はずっと気になっていたのです。
後続を走るタクシーのボンネットがずっと半開きになっていたのを。
指摘するべきかずっと迷いながらチラチラとルームミラーを見ながら運転をしていたのですが、ちょうどその時赤信号につかまったものですから、折角だからとハザードを焚いて車を降り、後ろを走っていたタクシーの運転手さんにお伝えしたのです。
実際問題、高速でも走らない限りは半分ロックされている状態なので風圧で持ち上がることはないかとは思いますが、万が一があったら大変だと思い行動に移しました。
如何せん私の体格も身長が177cmあって大柄なもので、若干色の入った眼鏡をかけて目つきもあまりよろしくないものですから、こんな人間が信号待ちのタイミングでずかずかとやってこられたら怖いものだとは思いましたが、こういった時は指摘する方も勇気がいるものです。
日本人は事なかれ主義の保身的な人間が多いものですから、もし万が一注意したことでトラブルに発展したら厄介極まりない。
しかしながらこういった時のお節介も大事なもの。助け合いの精神で私は一人のドライバーのトラブルを救ったのでした。

でも本質を突くならば、この記事は助け合いの精神を訴える内容ではなく、実際は指摘した際の自身を客観的に見てネタにできると思ったからですよね。

ドライバーさんも声を震わせながらしどろもどろになっていたじゃないですか。
それを見て自分の立場を鑑み、自分の姿勢に酔った上でこの記事を書いたんじゃないですか?

性格悪いなぁ・・・。

良いことをしたんだから良いじゃないですか。
どうせタクシーの運転手さんも職場でネタにしてますよ。
「前から男が降りてきて何事かと思った」って。

通報されずに笑い草で済んで良かったですね。

安易な行動は身を滅ぼしますよ。

運転中の助け合いは大事ですが、ドライバーの人間性は様々です。
ドラレコが当たり前になった昨今、場合を考えて行動するように皆さんも気をつけましょう。