夏のトイレの悪臭事件


おはよう、皆の衆。定次さんです。
皆さん、キャベツは好きですか?
どんな料理の付け合わせにしても邪魔をしない食材、それがキャベツ。
サラダとして千切りをモリモリ食べてもいいですし、スープに入れてしんなり食べてもいい。漬物なんかにも優秀ですし、ごま油と塩で和えたらもうそれは絶品で胃袋が満たされるまで無限に食べることができます。あと、うさぎの餌なんかにも使えます。
新鮮なものは食感が良く、瑞々しさを感じながらシャキシャキと噛み締められるのはクセになるくらい。
葉物として程よい甘さに何とも言えない栄養価。
ネットで調べたところではカリウム、ビタミンK、ビタミンCが豊富なようですが、沢山の量が食べられる分、上記栄養素の補給にも優れていることでしょう。
私が小学生の頃、学校にランチルームという食堂まがいの広い部屋が3階と1階に合わせて2箇所あったのですが、田舎の学校で生徒数が少なかったということもあり、給食の時間は全校生徒と教師がそれぞれの班ごとに分かれて各ランチルームで食事をとっていました。
そしていつの日か、そんなランチルームの壁に授業の一環で描いたであろう各生徒の好きな食べ物、嫌いな食べ物のイラストを掲示している時がありました。
その時確か私はとんこつラーメンが好きだったので、ラーメンどんぶりにみちみちに盛られたとんこつラーメンのイラストを描いたていたと思います。
嫌いな食べ物については何を描いたかあまり覚えていませんが、幼少期から今に至るまでずっと柿が一番嫌いな食べ物なので、恐らく柿のイラストを描いて載せていたと思います。
他の生徒はケーキが好きだのピーマンが嫌いだの子供らしい絵を描いて載せていた記憶がありますが、その中でもとある生徒が描いたものが今でも鮮明に覚えているくらいに印象に残っておりまして、その内容がまたキャベツ丸々についてのものだったんです。
詳細については上記リンクにある過去の記事を読み直してもらえたらと思いますが、読み返すのが面倒だという方は下記のイラストを参照してください。

これは本当にその鮮明に覚えている記憶そのままのイラストです。
当時私はこんなものがランチルームに飾られていたのを見て、小学生ながらもとてつもない衝撃を受けたものでした。
確かにキャベツの芯は妙に青臭く、味も美味しいものではない。食感も非常に固くて料理にも向いていません。
本来であればそのまま三角コーナーにぶち込まれてしまう部分なのでフォーカスが当てられることはないでしょう。

好きな食べ物なーに?

キャベツ。
こんなやり取りがあったとしても芯の部分は常識的に好きな食べ物として認識されることはないでしょう。

キャベツが好きってことは芯も全部食べてるってこと?

じゃあ貴様はバナナを食べる時皮まで食うのか?
キャベツが好きだからと言って芯まで食わされるという強要はされないはず。
そんな予防線を張るためにわざわざ嫌いな食べ物に『キャベツの芯』を挙げたのか、もしくはキャベツの芯以外に嫌いな食べ物がなかったのか……過去の記事でこの話題を出した際に「キャベツが好きなら全てを好きになれ」と考えていた旨のお話しをしましたが、今考えるとキャベツの芯まで好きになる必要はないと改めて思いました。
――さて、そんなキャベツの話題が関係あるのかないのか、先日我が家で異臭騒ぎがありました。
仕事から帰り、玄関を開けると何だか妙に臭い。生ゴミを放置したような、青臭いような……まるで古いキャベツの真ん中付近を齧っている時のような不快な臭いが玄関いっぱいに充満していました。
前の日は燃えるゴミの日だったということもあり、玄関に生ゴミの臭いが染み付いてしまっていたのかとも考えましたが、思い返せばいつもは玄関にゴミ袋を置いて朝方出すところ、今回は玄関に置かずにまとめてから早々にゴミ捨て場へと持ち込んでいたので染み付くなんてことは考えられませんでした。
隣室のリビングでは臭いがしなかったため、臭いの元が玄関付近であるのは確かだとわかります。
しかしより詳しい臭いの出どころを特定するために下駄箱の中や靴の臭いを確認しましたが、どこが発生源なのかはわかりませんでした。
玄関に置いてある芳香剤の残りが少ないとは言え、芳香剤がなければ悪臭を防げないような家には住んでいませんし、私自身の臭いに対する感覚が世間とズレているわけでもありません。
とりあえずは残り少ない芳香剤を近いうちに補充するとして、謎の異臭については時間が解決することを祈ることとしました。
原因がわからない以上はどうしようもない……そう思いながら玄関入ってすぐにあるトイレの扉を開けるととんでもない悪臭が。
臭いの原因は間違いなくトイレ。リビングにまで漏れず、被害が玄関までで良かったと思えるくらいの悪臭が一気に扉の隙間から溢れ出てきました。
もしかしてトイレを流し忘れたかな?と思い、意を決して便器を開けるもそこには大量の糞便が残っている……ということはなく、むしろ何もない状態でした。
昨今のこの猛暑、小窓もなくサウナ状態の個室にうんこが流されずに放置されていたらきっと凄まじい臭いがしたでしょう。
しかし実際には便器の中に水が溜まっておらず、常に排水口から臭いが上がってきていた状態でした。
洋式トイレというものはタンクに溜まった水を使用して排泄物を流します。
一度に流し切ることが出来ずに次にタンクに水が溜まるまで流せないというもどかしい思いをした経験は誰しもしたことがあるでしょう。
今回の件の原因は朝方にトイレを使用した私が無理矢理にでもタンクの水を使用し、不十分な水量のまま流したことでパイプから上がってくる臭いを塞いでいなかったというものでした。
私は悪臭充満するトイレの臭いを何とかしようとすかさず消化不十分な糞便を垂れ流すこととしました。
世の中には"中和"という反応があります。
これはそれぞれ性質の反するもの同士が触れ、互いに特性を打ち消し合うというもの。
互いに悪臭と言えども、私の排便は世の理に反した穢れに近いものというもっぱらの噂。
悪臭同士反発し合うことで塩と水が生成される可能性を信じつつ、最悪、悪臭を上書きできるかもしれないという希望から私は盛大に軟便を便器へと放り出しました。
自分自身の臭いというものは案外自身では気が付きにくいもの。
悪臭がかき消されたかどうかはこの後帰宅する嫁さんが判断するものとして、しっかりと水を流してから私はそそくさとトイレを後にし、素知らぬ顔でリビングに待機しました。
――間もなくして嫁さんが帰宅。
玄関の悪臭に顔をしかめていましたが、暫くしてトイレを使用。
悪臭の原因がトイレだった旨を伝え、現状がどうなっているか理解してもらった上でトイレに入るまでを見送りましたが、その後トイレの中から消臭スプレーを何度も吹き付ける音が聞こえてきました。
どうやら私の排泄物はトイレの悪臭と反応を起こさなかった様子。
悪臭の上に上書きされたのか、それとも上乗せされてより一層臭い個室が出来上がったのか……何にせよ蒸し暑く、そして狭苦しいトイレの中でとてつもない悪臭に包まれた嫁さんが可哀想でした。

いつの時代も夏のトイレは臭いんですよ。

何にせよ新しいうんこに臭いが上書きされた時点で臭いですよね。

夏だろうが冬だろうが臭いもんは臭い。

いつの時代もうんこは臭いんですね。

その通り。