「そうだ、私は今ハイタッチの真っ只中にいるのだ」
おはよう、皆の衆。定次さんです。
夏の蒸し暑さが日を追って増すこの頃、ホラーな話を読んで少しばかりひんやりとした気持ちになってはみませんか?
それも昨日に起こった、誰も見たことも聞いたこともない不思議なオカルト…。
おどろおどろしく綴られる今回のお話、怖いのが苦手だという方は目を瞑ったままスクロールを下げていくか、はたまたこの話を経て克服をするか…ご自由に選んでください。
私の身に降りかかった奇妙な出来事…受け入れる心の準備はできたでしょうか?
みなさんは捨てても捨てても戻ってくる、そんな呪われたようなアイテムに遭遇した経験はあるでしょうか?
「気味が悪いから捨ててしまえ」
そんな軽率な気持ちから招いてしまった悲劇…意外にもそれは身近なところでも起きると心していただきたい。
それは昨日、私が便所に入っていた時のこと。
ここ最近歯の治療における副反応からよく噛んで食べることができず、半ば丸呑みで食事を続けていた私はあいも変わらず下し気味の腹を便所で慰めていました。
時間帯はまだまだ日が昇って間もない朝方だったでしょうか。
いくら日が昇っているからとは言え、日の光から遠く離れた閉塞的なトイレの空間には日の光は入ってきません。
鬱蒼としたトイレの中、私は腹を痛める度にパンツを下ろし便座へとゆっくりと腰を据えます。
下してはトイレへ駆け込む…そんな反復運動を繰り返す内、ふと私は急にパンツの中が気になり、パンツを下ろすタイミングで覗き込むことにしました。
するとどういうことか、糞を放り出す尻の穴が本来位置するべき場所に一本の縮れ毛がそこに鎮座していたのです。
縮れ毛がそこら中に無造作に散らばるという事実は周知のこと。
しかし尻の穴の位置する場所に図々しく居座るということはどこか場違いであると私は直感的に思いました。
この一本は単なる縮れ毛ではないと。縮れ毛の定義に反する縮れ毛にあらず物であると。
私は気味が悪くなりました。
忽ち軟便広がる便器の中へとその縮れ毛を摘み、放り込み、勢い良く水に流しました。
一時的に腹痛から逃れた私は「変わった縮れ毛もいたものだ」と軽く安堵し、今一度日常へと戻りました。
――暫くしてまたしても私は腹痛に襲われました。
元々腹が弱い私は「またか…」と深く溜め息をつきつつ、呆れたような表情でトイレへと歩を進めました。
そして余裕を持ってズボンを下ろし、パンツを下ろし…と、ここで先程の件が過ぎり、ふとパンツの中を覗き込んだのです。
「またしても…」
どういうわけか先程と同じ場所にまたしても縮れ毛が一本鎮座していたのです。
背筋が凍るようでした。駆け抜ける寒気は異端なる縮れ毛の存在によるものか、はたまた下した腹からくる刺激か。
何にせよただならぬ気配に私は身を悶えさせ、素早く糞を放り出した後に縮れ毛と一緒に流し、慌ててその場を後にしました。
気が狂いそうでした。
それ以降目にすることはなくなりましたが、部屋のあちらこちらに散らばる一本一本もまた同じものであると思うと…。
みなさんもお気をつけください。
彼らはいつでもどこにでもいる。きっと貴方のパンツの中にも…。